2012年5月25日金曜日

あぁ南米

自分がナゼ仕事を辞めてまで旅に出たかったのか。
ただ海外に行きたいなら年に一回何とか連休をとって
短期の海外旅行でいろいろな国に行くことも可能だろう。
しかし、それだけではどうしても辿り着けない場所。

それが南米だった。

南米に行くには日本から片道40時間。
1週間の連休でも移動だけでほとんど終わってしまう。
きっかけはウユニ塩湖の雨季の写真を見たとき。
絶対に行きたいと思った。
調べれば調べるほど現状の自分には難しいことがわかっていく。
そして「南米」というものの持つスケールの大きさ。
短期旅行だけでは攻略不可能だと思う。
思いは募っていく。
南米に行きたい。そして行くからにはありとあらゆるものを見たい。
南米に行きたいという思いがきっかけになって「世界一周」
という自分にとっては大きな夢を現実的に見れるようになったと思う。

この旅の最大の目的ともいえる「南米」を5月25日に
コロンビアより出てスペインに向かう。
12月29日にメキシコからベネズエラに入り早6か月。
足りなかった。充分時間をかけたつもりだったが足りない。
あまりにも広大な土地。「地球」の大きさを肌で感じた。
「大陸」という大きさを知った。

旅中つけていた記録を見直すと。
6か月いた南米で総合すると丸28日はバスの中だった。
あまりにも大きすぎる。痔になりそうだ。

そんな大きな南米はやはり手強かった。
最大の敵であり、楽しさの一つであったのが言葉。

始め、「スプーン」と「ナイフ」どころか「トイレ」
などの常識レベルの英語が通じないことに涙した。
「これは凄いとこに来ちゃったぞ」と
一人冷や汗をかいたものである。

中南米の基本言語はスペイン語である。
昔のスペイン人はデキたのか支配しすぎだ。
ブラジルがポルトガル語、ガイアナ3国が英語、蘭語、仏語。
となっているだけで他は全部スペイン語である。
大陸まるまるスペイン語しか話さないので現地人は
英語を覚える必要がない。よって英語しゃべれる人が
ほとんどいないというか、屋台のおばちゃんや宿のスタッフ、
駅のインフォなどまで英語を知らない。
ワンツースリーも知らない人が多い。

こちらが喋れないと宿で交渉できないどころか
どのバスがいつどこにいくらで向うのかもわからない。
しばらく必死で覚えた。
知りたいセンテンスを英語で書き出しスペイン語を
喋れる人にスペイン語に訳してもらったりした。

重要な単語たちも覚えた。
安い、チキン、トイレ、ホテル、キッチン、ビール。。。

2~3か月たった頃には中学1年生が覚える英語レベルの
スペイン語でなんとか交渉ができるようになった。
こうなってくると俄然楽しい。
英語が喋れるようになってきた時はただ感動だった。
しかしスペイン語は習ったこともない第2外国語。
現地人とのやり取りだけで少しずつ喋れるようになっていく。
物凄く楽しかった。でももっと喋りたい!という欲求に
実力がまったく追いついてこず、歯がゆい思いもした。

治安におびえ、言葉に困り、長距離バスでただただ移動する。
リスクばかりにも思えるが、本当に充実した楽しい毎日だった。
日本では感じることのできない「ラテン」の人たちに囲まれ
毎日カルチャーショックや怒りを覚える。
でも最後は必ず笑いになった。

そんな南米を去ることに寂しさで一杯だが
この旅2度目のヨーロッパは最初のヨーロッパとは違う
楽しみ方ができそうだ。

さよなら南米。

今日もきっとどこかで小脇に抱えた鶏をバスのトランクに
乗せようとしている客がいることだろう。
今日もきっとどこかで売店のおばちゃんがお釣りを間違え
ていることだろう。
今日もきっとどこかで旅人が災難にあったり親切を受けたり
しているだろう。

そんな南米にありがとう。

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