2012年4月29日日曜日

天空都市

天空都市マチュピチュ。
観光拠点となっているペルー、クスコにやってきた。

さっそく街中の旅行会社でマチュピチュツアーを契約。
時期がちょうどゴールデンウイークであったこともあり
安い列車のシートは全て売り切れ。高級シートしか残っていない。
街中も日本人がかなり多い。
貧乏旅行者である我々はインカトレイルを半日かけてミニバス
で向う命も体力もギリギリツアーに参加することにした。

まずはクスコ観光。
剃刀一枚入らないと言われるインカの石造りの町は本当に綺麗で
通路が延々と続いている。遺跡とスペインのコロニアルな感じの
街がいい感じにミックスされて歩いているだけで楽しい。

クスコの中心広場にあるコロニアルな教会

剃刀云々な壁

噂の14の角をもつ石

ずっと続くインカの石造り

そんなクスコでもお土産探し。
ペルーはボリビアに比べると物価は上がるがまだまだ安い。
そんなクスコでバックパッカーの間で有名なお土産が靴。
南米カラーな派手な色の布を使ったハンドメイドブーツやスニーカーが
1000円以下~3000円ちょっとで手に入る。
しかもオーダーメイドにも対応してくれる店が多い。
スペイン語で交渉しながら布や色を選ぶことができるらしい。
残念ながら靴としてのクオリティは日本で手に入るものと比べると
かなり落ちるが、独特のデザインが見ていて楽しい。
ということで浮かれて一足買ってしまった。いつ履こうかな。。。

所狭しと並ぶかわいい靴たち

ブーツ系は色使いが多くて見てて楽しい

土産物巡りも終えて晩飯へ。
「地球の歩き方」に載っていた日本人の経営するペルー料理店。
「Pucara」に向かう。今まで日本人が海外で経営するレストランは
ほとんど日本食レストランだったが、ここは現地料理でしかもペルー
屈指の観光地で戦っているお店だ。うまいに違いない。
期待に満ちた状態で料理を注文する。
頼んだのは現地の鱒「トゥルーチャ」のスパイシークリームソース
とかいう料理。めちゃくちゃ旨かった。とにかく旨かった。
あまりに旨すぎたので2回行ってしまったw
クスコに訪れた際には是非是非行って欲しい。

BBQやニンニクスープ

我慢できずに食べちゃった
トゥルーチャクリーム

おいしいペルー料理も堪能しお次はいよいよメインのマチュピチュ。
朝早くに集合しミニバスに押し込められてバスはガンガン進んでいく。
途中までは舗装され乗り心地も良かったが途中からはインカトレイル
の一部に入り、道路は崖っぷちの車幅一杯で道中には落ちて朽ち果てた
車が見えたりした。明らかにボリビアのデスロードよりデスロード。
戦々恐々のまま長時間ミニバスで体力も精神力も削られていく。

すれ違い怖すぎ

谷底には惨劇の跡が。。。

そろそろ日も暮れかけたころ。ここから先は車が行けないのか
歩きで行くことになる。インカトレイルを歩いていると夕闇に
マチュピチュの横顔がチラッと見えた。いよいよと言った感じで
テンションも上がるがインカトレイルは甘くない。そのまま日没を
迎え暗闇のなかヘッドランプをつけて進むことになった。
本日のゴールであるマチュピチュ村に着いたのは20時近くで
もう辺りは真っ暗で一同ぐったりとしていた。
最初の説明では17時には村についてる予定だったのに。
ツアー参加者が指定の食堂に揃うと慌ただしくスペイン語と英語で
ツアーの概要が説明され、チケットを渡された。
訳すと、明日の朝7時くらいにマチュピチュのエントランスで待ってるから
勝手に来てね。歩いていくと1時間ちょっと、だるい人はバスがあるから
それを探してのってね~。と言った感じのユルさ。
この手の緩さには慣れてしまったので不服はないがマチュピチュでも
これか。南米の手抜きには抜かりがない。

むさぼるように出された晩飯を食べ終え、ちょこっと村内を散歩した。
そういえば、マチュピチュ村は奥地のド田舎を想像していたが。
夜20時を過ぎてもきれいに整備されている村内はツーリスト向けに
開拓され、バーやレストランが煌々と光り輝いている。奥には
クラブまであって近づくとがんがん音が聞こえる。南米の奥地、
天空都市マチュピチュのおひざ元は潤いきっていた。。
村にある夜間対応のサッカーコート
 
夜もにぎわい潤っている

明かりを放つおされなバー

村の奥にはひっそりとクラブ
 
明日に備えて早めに就寝。疲れきっていたのでぐっすり眠る。
翌朝5時頃起きてマチュピチュを目指して歩いて登り始める。
空は雲がかかっていて日の出を見ることは出来なかった。
7時少し前にエントランスに到着するとエントランスにはもう結構な
人がいる。ゴールデンウイークのおかげで日本人がかなり多い。
自分たちのガイドを見つけ少し待つと人が揃ったのか中へ。

中に入ると圧巻の景色が広がっていた。
住みやすさよりも景色で選んだと思われるインカ人の本音が見える。
マチュピチュの中ではそこかしこでリャマが草を食み絵になっている。
村からマチュピチュへと続く道

朝日は雲で残念だった。。

優雅なリャマ

いきなりの景色に有頂天

感動しているところでガイドによる説明がスタート。
久しぶりの英語だったけど割と聞き取れる。
ガイドの説明の5割位を理解しながらマチュピチュ観光を楽しんだ。
なかでも面白かったのはアヤワスカと呼ばれる最強の幻覚成分を
もつアマゾンのツタからとったエキスを飲んでキまった後。
ダッシュでワイナピチュに登る儀式があったそうだが、通常片道
1時間以上かかるのに25分程で登り切っていたらしい。インカ人すげぇ。

他にも有名な太陽の日の出の位置に合わせて作られた天文台や
正確に北を指して置かれている石、とんでもなく大きな石まで
剃刀1枚云々な石垣にされてたりと、高度な独自の文明だったとわかる。
1時間ちょっとでガイドも終了し、あとは帰りのバスの時間に集合
場所にたどり着けばいいのでゆっくり見て回る。
見張り小屋まで行くと有名な教科書の景色が拝むことができた。
天気も良く、最高の景色を堪能する。
図面なんかいらねぇんだよ!な造形

ピッタリと方角を示す石

優雅な感じの階段

景色はいつでも抜群です

ワイナピチュかっこいい。

日本人の行きたい世界遺産第1位がマチュピチュだそうである。
ここに座ってゆっくりとマチュピチュを眺めていると第1位を獲得
するだけの文化と自然遺産を併せ持っていたことがわかる。

遺跡でテンションUPな状態
 

眺めてても飽きない。
 

まじカッコイイ!
見張り小屋からの有名な角度。

スペインの侵略を受けた南米でインカ文明はかなり手強かったそうだ。
しかし、兵農兼業であったインカ人は農繁期に入ると戦争を中止し、
畑に戻ったところを一気に侵略されてしまったらしい。
そんな迂闊で平和思想なインカ人の遺跡は最高だった。

マチュピチュ観光を終え、最後にマチュピチュ村のぬるーい温泉に
浸かって疲れを落とした後にまたあのバスに揺られてクスコに帰った。


さよならマチュピチュ
また行きたーい。
 

2012年4月24日火曜日

ラパス堪能

世界一高い首都、ボリビアのラパスへ向かう。
高地の中をバスで走り抜けて行く。晴れていると
南米特有な気のする綺麗な青さの空が広がり雲が近い。




ここラパスはすり鉢状の地形で、観光客の集中する部分で
標高3600m近く、飛行機でいきなり来たりすると高山病で
しばらく寝込んでしまう人がいるほどの高地。
普通の住宅地では丘の上に行くほど高級住宅街になったり
するが、ここラパスは違う、標高が下がれば下がるほど
高級住宅街となり、一番標高が高い4000mオーバーの地区
は貧民街となっている。貧乏だと空気がもらえないという
シビアさ。

旅行者エリアには土産物屋が点在し、THE南米カラーな
カラフルな品物をインディヘナのおばちゃん達がゆっくり
と売りさばいている。


高級アルパカセーター

ボリビアでの買い物は本当に楽しい、他にはない色彩で
作られた様々な商品たちが並んでいて見ているだけでも
飽きないのにそれが破格の安さで売られていたりするから
ついつい買い込んでしまう。
自分も久々に物欲を思い切り解放していろいろな物を買いこむ。
小物系のポーチなんかは1個50円程度だったりする。

 
風呂敷には商品から子供までなんでも入れて
持ち歩くボリビアスタイルのおばちゃん。
 
どこもメニューが同じ屋台街。

土産物漁りを終えてひと段落。気が付くと日曜日だ。
日曜日は件の貧民街エリアで泥棒市が展開されている。
本当にいろいろなものが売られており、世界各地から送られた
支援物資や盗品等が中に混ざっているため探すと掘り出し物が
あるらしい。

なにがあるかな?
 
標高4000mマーケット

ジャンパーなどが積まれている場所を掘り起こすと
パタゴニアやノースフェイスと言ったブランド物が出てきて
価値を知らないおばちゃんが200円位で売っている。
これにはニセモノも混ざってるけど。。

掘り起こしたコロンビアとパタゴニア

もっともアツイのは靴らしく、ビンテージ?で、日本で買ったら
数万円という品物が500円程度で売られているらしく、靴に
詳しい旅人は20足近く買い込んで日本に送っていた。
くそう、知識があれば。。。。

広大な売り場は洋服や靴だけではなく工具や日用雑貨エリアも
あると思っていたら最後には中古車エリアまで出現した。
盗難車なのだろうか?高地らしく4WD車が多いが盗難車の
代名詞、ハイエースも並んでいる。

日本からはるばる。

更にはバラされた車のパーツが錆だらけの状態で売られており
もはやゴミにしか見えない。

おそらく売り物

擦り切れたタイヤも販売中。

最後に中古携帯エリアを見て回るとiPhoneが出てるじゃないか!
起動を確認し中を見るといろいろなアプリが既に入っている。
過去の写真を見るとヨーロピアンだろうか?南米の様々な場所で
の記念写真が残っており、最後の写真はチチカカ湖のものだった。
あぁ、きっとここで盗まれたんだろうな。。などと思いながら
値段を聞くと450ドルとのことで普通に高い。買えぬ。

いろいろ見て回っていたらいい時間に。実は日曜日はこのエリアで
もう一つ有名な催し物がある。旅人に「オバプロ」と呼ばれるそれは
おばちゃんプロレスの略だったり。
メキシコなどで盛んなルチャリブレにインディヘナのおばちゃんが
本格参戦しているものだ。
いざ会場入りし、前座の普通のルチャを見ていよいよか。
大歓声の中おばちゃん登場である。大人気だ。
ボリビアの民族衣装を着て颯爽と登場したおばちゃん。


試合自体はおちゃらけて終わりかなと思っていたら本気と書いて
マジだった。グイグイとロープを使って走り回り、敵役の男レスラー
を痛めつけていく。おばちゃんが華麗にフランケンシュタイナーきめた
りすると場内は大盛り上がり。

パワーボムされるインディヘナ 

場外フライングプレスで決めるおばちゃん

敵役のレスラーにいろいろなものが観客席から投げられる。
ポップコーンやピーナッツはかわいい方でハンバーガーや
まだ水の入ったペットボトルなども飛んでいく。
凄い日はケーキまで飛んでいくらしい。自分も負けじとピーナッツを
買い込んで投げつける。めちゃくちゃ盛り上がる場内。
そこで、おばちゃんがペットボトルを拾い上げて相手にぶちまける。
残った水を観客席にふりまく。「OH!カメラが濡れちまった!!」
と叫ぶ観客の外人。リングサイドをうろつく野良犬は投げられた
ハンバーガーをむさぼっている。もうカオスだ。

そんな中、専属のおばちゃんレスラー達の試合は何試合も続いていく。
おばちゃん同士の試合もあり、悪役側のおばちゃんはホールドした
あと相手のスカートまくったり、おばちゃんのおさげをハサミで切った
りとダーティーなプレイを展開する。最後にはパイプ椅子や空の一斗缶
を持ち出しての凶器攻撃に入り、流血騒ぎの本格プレイに。
いかにもなおばさん。

凶器攻撃に走る

結局はお約束で悪役レスラーがホールドされて試合終了。
めちゃくちゃ楽しかった。ラパスでは必見のイベントだと思う。


その後は夜景で有名なポイント、ミラドールキリキリへ。
すり鉢状のラパスの中央付近にある高台で、360°街がせりあがっていく
夜景を見ることができる。南米特有のオレンジがかった街灯がどこまでも
続いていて町全体が暖かいオレンジ色に染まっている。非常に綺麗だった。



翌日は噂のデスロードへ。ここはかつてラパスと低地の地区を結ぶメイン
ロードの一つだったらしいが、崖っぷちに延々と作られた細い道は数々の
事故を生み出し、デスロードという汚名を頂戴している。しかしそんな汚名
もお構いなく、今ではそこをマウンテンバイクでダウンヒルするという
観光地化に成功しているあたりに南米の逞しさを感じる。

朝早く自転車を積みこんでラパスを出発し、スタート地点まで行く。
ここは標高4700m、そこから一気に標高2000m以下の村まで下るという
標高差3000m近いダウンヒルだ。
デスロードの名の如く昨年には日本人旅行者の滑落死亡事故も
起きているらしい。噂に聞く原因ではブレーキが故障したとも聞く。
このツアーに参加の際はボリビアのクオリティは信用せず自分の
目でしっかりとギアのチェックをする。そしてスタート!!
スタート地点からしばらくはきれいに舗装された道路で恐ろしくスピード
が出る。周囲は霧がかった高地の朝でもの凄く景色がいい。
しばらくするとお約束の未舗装路に突入し、道幅も狭くなり崖っぷち
を下り始める。

ここから始まるデスロードツアー

景色良くてめちゃくちゃ爽快
 

久々のチャリンコと初めてのダウンヒルにビビりまくりだったが何とか
体重の動かし方がわかってくると調子に乗って飛ばし始める。超楽しい。
ほとんど下りで、登りはなく平坦な部分が少しあったくらいだ。
途中、滝のそばを通って少し濡れたり、下った勢いのまま川に突っ込んで
川を渡ったりとなかなかに初心者には難所もあり。久々にアドレナリン
がドバッと出てめちゃくちゃ楽しかった。あっという間に3000m
を下り切りゴール。あ~、もう一回やりてー!!





楽しかったラパス。パンパンになった袋を抱えてお次は
ペルーのクスコへ!いよいよマチュピチュだ。